雪山飛狐。

雪山飛狐(せつざんひこ) DVD-BOX1

雪山飛狐(せつざんひこ) DVD-BOX1

 武侠ドラマの『雪山飛狐』を見終わりました。雪景色が続き、登場人物の衣装も、もかもかのふわふわがいっぱいだったりしました。これほど寒そうなドラマにはなかなかお目にかかれないと思うくらい見ていて厳しい寒さを感じるドラマでした。
 主人公の胡斐はとてもいい青年なのですが、武侠モノには珍しく最強ではありません。苦労して武芸を身につけるのですが、いまいち詰めが甘いというか煮え切らないというか、ここぞというときに決めてくれませんでした。あとは女性関係。もてまくるのは主人公の常なのですが、心に決めた人がいるわりには他の女性にも過剰に優しかったりするし、とにかく態度がはっきりしません。特に中盤は袁紫衣と程霊素との間で揺れ動く、まさに三角関係となり、じれったくって仕方なかったです。
 私が大好きだった程霊素。とにかく一途で尽くす尽くす尽くす。自分の血を抜いて胡斐を助けたり、最後には自分よりも恋がたきの命を優先させて亡くなってしまいました。このシーンは涙なしではみれなかったです。あまりにも霊素の気持ちが一途すぎて、不憫でならないのです。ここまで尽くしても見向きもしない胡斐…、もうちょっとどうにか報いてあげられないのかなと思ってしまいます。逆にいらいらしたのは若蘭。子供の頃のわがままもかなりでしたが、七心海棠の花を枯らしてしまうというとんでもない事態を巻き起こして、またもや悲しみの輪が拡がってしまいました。素直な人とは思うのですが、好きにはなれなかったです。
 男性陣は最強の苗人鳳に、女好きすぎる福康安、ただのおべっか使いかとおもいきや、最後には大ボスにまで登り詰める田帰農と役者が揃っています。このドラマの面白さはこの脇役の男性陣の多彩さにあるかもしれないと思うくらいです。全体を通してアクションより、愛憎劇に重きがおかれている作品だと思います。