NHK杯 女子フリー。

 これで泣かなくていつ泣くんだってくらい、あまりにも凄すぎて、2つ目のジャンプが終わったときから泣いて、ずっとずっと最後のステップまで、涙目で両手を握りしめて応援して、終わった瞬間に、感動が溢れてとまらなくなりました。浅田真央さんの演技はそれくらい、すごかった。いつも真央ちゃんの笑顔がみたくって、今日の笑顔は格別に素敵だったから、それだけでもう十分なんだけど、今日の演技はわたしの中にいつも以上に大きなものを呼び覚まして、本当にすごい演技を見たときはもう泣くしかないんだなと思えてしまいました。
 6分間練習のときから動きが良さそうに見えたので、3A2回に挑戦してくるかもと思っていましたが、他の選手の点数がそんなには伸びていなかったので、グランプリファイナルに行くということだけを考えれば、安全策もあるのかなと思っていました。でも、真央さんの気持ちにはきっとそんなものはなかったのだと思います。朝、3A2回跳ぶと決めたときに、気持ちは強くなったのだと思う。それだけNHK杯はジャンプを跳びたいという気持ちが強かったのでしょう。
 最初の3A、すごく高く跳んでものすごく素晴らしいジャンプ。そして次はどうするのだろうとますますどきどきして見ていると、すっと後ろを向いたので、跳ぶのだと思いました。そして2度目の3A、しっかりとコンビネーションも付けてきました。この瞬間に、真央さんが凄くて凄すぎて、わぁっと歓声を上げてガッツポーズしてしまいました。しかし、ジャッジは厳しく回転不足とのこと…(泣) 記録上は2回のトリプルアクセル成功とはなりませんでしたが、私の記憶の中も、きっとみなさんの記憶の中も3A2回成功です! 
 後半のサルコージャンプ、全く苦手には見えませんでした。私が初めてみた真央さんの3Sです。次のコンビネーションが単発になってしまいましたが、ジャンプはどのジャンプも加点がたくさん付いた素晴らしいものでした。最後のステップはちょっとバテたかなぁという印象でした。これだけジャンプ跳んでいるので、体力の消耗も激しいのでしょう。それでも、滑らかな動きが美しかったです。最後の最後で手をついてしまったのですが、それに真央さん自身がびっくりしていました。転ばなくてよかった〜。体力面もすごく強化してきたと思うのですが、それでもスタミナが足りなくなるくらいのプログラムなんですね。後半に3回転-3回転のコンビネーションジャンプが入ったら、どうなるんだろう…。想像するだけで凄い。
 インタビューで真央さんの笑顔がたくさんみられました。そして、フランス杯からの気持ちの切り替えは、ジャンプの練習をすることでできたとのこと。頭が下がります。これだけのプレッシャー、これだけの視線の中で、この演技ができる真央さんがすごいと思います。そして、今日のNHK杯の会場におられたみなさんがとてもすごい。会場全体がすごくいい雰囲気になっていたからこそ、真央さんも中野友加里さんも鈴木明子さんもあのような素晴らしい演技ができたと思うのです。1つひとつの拍手や歓声がこんなにも選手のみなさんのチカラになっている会場はすごいです。できれば、私もその場でみなさんと同じ空気を感じてみたかった。そう思えるくらいに素晴らしい雰囲気の会場だったです。
 そして中継の最後に日本の女子選手3人が仲良く話をしている映像が映っていました。何を話しているのかはわかりませんが、その穏やかな表情がうれしかった。中野さんが耳打ちするのを聴いている真央さんもかわいくて仕方なかった。その姿がこの大会の素晴らしさを一番よく伝える瞬間かなと思えました。あの瞬間に流れているあの空気が、この大会のすべてを凝縮したものだと思います。
 これでグランプリファイナルには浅田真央さんと中野友加里さんと安藤美姫さんが出場決定です。ヨナさんと真央さんの直接対決はほんと楽しみですし、ファイナルもこの大会と同じように素敵な時間になることを願っています。まだ、男子とエキシビションがあるので、まだまだNHK杯から目が離せません。