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ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品 その4。

 ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんの作品をなるべく原書出版順に紹介。感想を保存していない作品は読み返して補完中。

九年目の魔法 (創元推理文庫)

九年目の魔法 (創元推理文庫)

 ポーリィは本を読んでいる途中で不思議な感覚に襲われた。自分の記憶が二重になっているのだ。ポーリィにはトーマス・リンという年上の友達がいたのだが、いまではその記憶はすっかり消えてしまっていた。
 構成が面白いです。記憶を失った状態から遡っていろんな出来事が起こり、そしてまた今に戻ってきます。九年間という長い年月の間にポーリィが体験したいろんな出来事。両親とのことや学校での出来事。それが鮮明に描かれ、そしてその中でもトムとの交流は少しづつ進んでいきます。不思議な出来事は最初から始まっていたのですが、あまり人目に付かず、ほんとうにヘンだと思ったときにはすぐ傍まで迫っていました。ポーリィもどんどん成長していってそして、結末にたどりつきます。下敷きとしてあるのは「妖精」の物語。イギリスでは本当に誰もが知っているお話なのだそうですが、それを今という時間に起こしているからこそ、面白いものになっていると思います。ラストがちょっとわかりにくかったかな。随所に出てくる本のタイトルも名作揃いです。私がまだ読んでない本もあるので、読んでみようかなと思ってます。

時の町の伝説

時の町の伝説

 20世紀。ロンドンの町は戦火に飲みこまれようとしていた。ヴィヴィアンは疎開列車に乗っていたが、終着駅で人違いされ、時の町へと来てしまう。時の町が消滅していしまうという危機が迫っているというのだ。
 歴史のどこでもない時の町。その時代にこだわりのない世界が、ある意味いろんな制約に捕らわれていて、自由に見えて自由でないところが微妙。主人公のヴィヴィアンはそんなとんでもない状況に巻きこまれたにしては冷静で行動派でした。「とこしえのきみ」の行事毎の扮装の準備にめちゃめちゃになっているあたりがジョーンズ作品特有の賑やかなところでした。犯人についてはだいたいそうかなと思われた展開だったですが、時の幽霊たちにいろんな意味があるというのは、びっくりな伏線でした。あとは時の町の本当の親玉が誰かというのも、そうきたかというような人物でしたし、ジョーンズ作品ならではの最後のお楽しみはこの作品でも十分に味わえたと思います。とにかく、バターパイがすっごいおいしそうなので、是非食べてみたいです。

いたずらロバート

いたずらロバート

  • 作者: ダイアナ・ウィンジョーンズ,エンマ・チチェスタークラーク,Diana Wynne Jones,Emma Chichester Clark,槙朝子
  • 出版社/メーカー: ブッキング
  • 発売日: 2003/10/01
  • メディア: 単行本
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 ちょっとした出来心から、お墓に閉じ込められているいたずらロバートを呼び覚ましてしまった。彼は勝手し放題で誰も手がつけられない。
 とても短い作品です。どうしようもないいたずらもののロバート。どうやってこのロバートを落ちつけていくのかなと心配になりましたが、それもジョーンズマジック。なんとか収集がつくものです。とにかく時代錯誤でいばり散らしたロバートに困りましたって、ことだけで終わってしまいます。

マライアおばさん

マライアおばさん

 事故で行方不明になったお父さんの義理のおばさん、マライアおばさんのところにイースターの休暇に行くことになったミグとクリス。マライアおばさんにいろいろ言いつけをされて大変な上に、街全体がなにか変。それにクリスの部屋には幽霊がでるという。
 マライアおばさんがとっても強烈。それにどこかにいそうな雰囲気のおばさんなんですよね。最初のうちはマライアおばさんのいいつけを守ろうとするお母さん態度にいらいらしたし、マライアおばさんの取り巻きの13人のおばさん(!)はまた強烈だし、どこかに楽しさは見付けられるのかなと思って読んでいました。幽霊の正体はなにか、幽霊が探しているものは何かが徐々にわかっていって、最後は土に埋められたものを呼び覚まして解決に至ります。終始、強烈すぎる個性のおばさんにたじたじです。お父さんとの結末はなにかドライな感じがしましたが、そんなものかな。