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ハリー・ポッターと死の秘宝

児童書

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)

「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (上下巻セット) (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)

 読み始めたはいいものの、なんと、前巻のストーリーをすかっと忘れていたので、6巻をざっと読み返してから読みました。ハリーポッターシリーズもこれで最終巻。最初の頃は児童書向けのストーリーだったとは思いますが、この最終巻あたりではかなり物語も複雑化して児童書の域を超えてしまったかなぁと思います。以下、ネタバレ有りの感想です。
 なんといっても、リリー・ポッターがすごい。彼女が命を懸けた魔法がすべてを守り、すべてを変えたといっても過言ではない気がします。ハリーはその愛に守られて生きてきたし、生きているのだから、彼女のすべてがこれまでの時間をそしてこれからの時間も守り続けるのでしょう。スネイプの永遠なる愛にも驚かされました。スネイプはハリーにとって、味方であり、敵でもあった。嫌われていたけれど、最後の最後で彼を救うのもスネイプだった。ものすごく複雑な心がスネイプの中にはあって、しかもそれがたった1人、リリー・ポッターへの愛から導き出されていることが、彼にとっての救いだったのだと思う。彼がどれくらい『例のあの人』の心に感化されていたのかはわからない。もしかすると、本気でその道に入っていた時期もあるのではないかと思うのですが、彼の中にある愛に気が付くたびに彼は戻ってきた。これほどまでに揺るがない心というものは他にはなかった。彼はものすごく大きな愛を持っていたからこそ、どんな状況にあっても自分の行くべき道や信念を見失わなかったのだろうと思う。
 ラストは驚くほどにすんなりとまとまっていました。6巻のときに3人での活躍が少なくて淋しかった分、7巻は3人だけで行動している時間が長かったです。そのわりには、3人の心は離れていたときもありました。同じ所にいても別のことを考えていたり、うまくいかないことに苛立ったり、世界のすべてか3人を監視しているような状況にあっては、心休まることもなく、それが3人の間にぎくしゃくしたものを創り出したときもありました。ロンが一度出て行って、そして帰ってきてからは、3人でのチームワークも見られるようになりました。『例のあの人』との決戦については、ハリーが1人で森に行くシーンがなんとなく演出されすぎていて、もう少しいろんな仲間たちとの協力関係や心の結びつきを見せてくれてもよかったのではないかなと思いました。たくさんの人がいるからなのか焦点が定まりきらない感じがしました。
 ハーマイオニーとロンは全編に渡りかなりいい雰囲気。そして、ハリーはジニーへの想いを募らせます。この3人がこれから先もこの3人であるためには、このカタチしかないのだなと思いました。ロンの妹であり、そしてハーマイオニーとも信頼関係があるという人がハリーと一緒にいなくては、あの3人の関係は違ったカタチになってしまうのだと。三角形は安定しているようにみえて、意外にバランスは難しい。これまでの時間で築き上げた信頼と想い出をこれからのこの3人はどんなふうに未来に繋げていくのでしょう。