イギリスGP決勝。

 予選ではフェラーリの調子がいまひとつのように思えるのと、マクラーレンの好調が目立ちました。ウェーバーが2位に入ったのはびっくりした。でも、たぶん軽いんだろうなぁと予想。コバライネンがポール。コバライネンはいいところがたくさんあるのに、結果にならないことも多かったので、このあたりでがつんといきたいところ。
 スタートでハミルトンがぐいっといきました。ライコネンコバライネンのスタートがあまりよくなかったので、出遅れ気味。ウェーバーの右側からするっと前に出たハミルトンが2位に。最初の周回だけでいろんなマシンのスピンがあって、特にウェーバーは好位置だったにも関わらず、スピンでかなり順位を落としました。クルサードは最後の母国GPだったのですが、グラベルに捕まってリタイア、悔しそうでした。ハミルトンはコバライネンも抜いてトップに。その後、コバライネンはスピンした間にライコネンに抜かれて3位に後退。雨は止む傾向にあるのかなと思っていた20週目ごろ。次々にピットストップへ。マクラーレンはタイヤに厳しいマシンなのでタイヤを交換。フェラーリはそのままのタイヤで走り続けました。ここがこのレースの一番のポイント。
 その後、天候が悪化して雨模様に。一気にフェラーリのタイムが落ちて、マクラーレンとの差がどんどん開き、ライコネンは次々に追い抜かれていきました。タイヤを変えたか変えないかがこんなに大きな差になるとわかっていなかったのですが、ものすごいタイム差です。ここでフェラーリが早めにタイヤを履き替えなかったのがなぜなのかはわかりません。給油の問題もあったのだとは思いますが、1周での他のマシンとのタイム差が大きすぎです。ライコネンもマッサも次々にスピンしていたこともあり、フェラーリのマシンの安定性は今ひとつだったのかなぁと思います。
 そして、バリチェロにとって大きなポイントになった、雨が降り始めコースは水浸しに。プレスリリースを見るとタイヤ交換を申し出たのはバリチェロだったようです。彼が提案してチームが準備した。これを聞いたときにバリチェロのこれまでの経験がこの結果に繋がったのだと思いました。その判断の確かさにびっくりします。あまりにも迅速な決断だったので、実はびっくりしたほどだったのですが、バリチェロのオーダーだとすると納得できました。さすが。今季での引退も噂されていますが、いまのところバリチェロは現役続行の意志のようです。
 ハミルトンは大量のリードを守って、雨のレースでも確実な運びでした。大きくコースを外れることもなかったと思いますし、慎重に走り続けていました。この荒れたレースでも確実に走っていたのはハミルトンだけだったかもしれません。大量リードがあったためと思いますが、母国でのこのレースは本当にうれしかったのではないでしょうか。
 雨のレースだったので思っていた以上に波乱がありました。スピンも多かったですし、目まぐるしく順位も入れ替えられました。最後の最後でトゥルーリが中嶋を抜いたようだったのですが、そこが見たかったな。どんなバトルだったのだろう。落ち着いてはみられなかった(ホンダが思った以上にいい結果になったこともあって)イギリスGPでした。