フランスGP決勝。

 今年でラストと噂されているマニクールサーキット。直線と低速コーナーとの組み合わせが面白いコースです。フリー走行からぶっちぎりで、予選でもぶっちぎりなフェラーリが決勝でもやっぱり速かった。他のどのチームもまったく寄せ付けない速さでした。
 キミ・ライコネン、マッサがフロントローに並び、マクラーレンはハミルトンが前回のペナルティ、コバライネンが予選の進路妨害でのペナルティでグリッド降格になり、3位争いが面白いところでした。アロンソはスタートで出遅れてしまい、トゥルーリがいい位置に。そのあともフェラーリの2台は他とはまったく違う次元の走りを続けていたので、実質3位がトップ争いという感じでした。
 トゥルーリは終始いい走りでした。終盤、あと10周というところで雨が落ちてきたのも影響してか、かなり苦しくなり、追撃していたコバライネンクビサとのバトルになりました。特にラスト2周のところでのコバライネンとのサイドバイサイドは見応えがありました。ホイールが接触するかしないかのところで、ドライバーの腕で戦った瞬間でした。トゥルーリがその位置を守って3位になったときはうれしかった。トゥルーリトヨタに移籍してから、かなり苦しい時期もあったと思うのですが、今シーズンはとてもいい感じで走っていると思います。そして、この3位。ひさびさの日本メーカーの表彰台。やっぱりうれしいです。表彰台での笑顔も、そして喪章もトヨタとしてのこれまでとこれからもを感じさせました。おめでとうございます。
 不運だったのはライコネン。中盤にエギゾーストパイプが壊れてしまい、パワー不足でマッサに首位を譲りました。ただ、そんな状態のマシンだったにも関わらず、前半に築き上げた大きな貯金もあり、きっちり2位でフィニッシュできたのはすごいところ。レース後に見たマシンの状態はものすごくて、大穴が空いている状態だったので、ラストまで壊れずに走りきれたのは奇跡に近かったのかなとも思います。それだけ今回のフェラーリのマシンの実力が他のマシンとはかけ離れていたということなのでしょう。優勝はできませんでしたが、ノーポイントではなく2位だったのはこれからの優勝争いにとっても大きなことだったのではないかなと思います。
 ホンダについてはコメントがないです。フランスではいい走りができそうとのコメントに期待していたので、ほんとにがっかり。ため息も嘆き節も出てしまいます。フリー走行からいいところなかったですし、決勝もまったくでした。バトンはスタートで追突があって、そのあとフロントウィングの破損、早々にリタイアということで、前回に続いて精細を欠いてしまいました。ここ2戦は本当に見ていて辛い戦いです。バリチェロはあまり映像に映らなかったのでわかりませんでしたが、レース中はそこそこの走りだったのかなぁと思っています。ここでくっと上向きになってほしい。なんとか。トヨタが表彰台だったのと比べるとかなり悲しい結果でした。