244 ENDLI-x LIVE TOUR '08 大阪城ホール

 29日の大阪城ホールに参加してきました。曲順はうろ覚えもいいところなので、私の感想だけすとっと書いておこうと思いますが、今回もネタバレが入ると思うので興味のある方は続きをどうぞ。
 大阪城ホールは意外に初めて。普通の日だと思うのに、屋台のお店が並んでいてびっくりした。お祭りみたい。しかも、ホールが見えてから入り口までが意外に遠い。スタンド席だったのですが、よく見えました。双眼鏡も準備していきましたが、結局使わなかった。ステージの向かって右には筋肉質ななまず大明神(?)がドラゴンボール(?)を持っています。しかも、ドラゴンボールは光ります。色も変わる。左にはギターを持った鹿大明神。このお二人、「鹿男あをによし」に出てきたコンビだなぁと。15分遅れでスタート。
 『Blue Berry』、『傷の上には赤いBLOOD』といきなり盛り上がる曲。大阪城ホールはいままで私が経験したENDLIさんのステージでは一番大きかったので、周りの方のどよめきというか雰囲気というか、それがちょっとわかりにくくって、どきどきしてしまった。はじけちゃっていいのかなぁ?という疑問符付きになってしまった。でも、徐々にその音の世界に引き込まれていくのがわかった。リアルを伝えたいという244さんの言葉。声というのは本当に心に響いてくる波なんだなぁと感じる。『春涙』はその美しい世界観がすごく好き。言葉のひとつひとつが静かに波を打って届いてくる。それが偽りのないこころだし、『本当』なんだろうと思える。
 そして、それは歌のない曲でも同じこと。ギターの音、ドラムの音、パーカッションの音。どの音一つとっても、それは楽しむという心で溢れていた。見ることばかりに集中してしまいがちだったけれど、それ以上に音はいろんな世界を見せてくれている気がする。エフェクターのかかったギターの音はいままでみたことのなかった世界を創り出していた。ぎゅうっと曲がった音、きゅっと締め付けられそうな音、じんわりと響く音。そのどれもが何かを伝えていて、それを受け取ることでまたひとつ感情が生まれる気がした。リズムになって刻まれていく楽しさ。点滅するようなはじける気持ち。『arco iris』は単純にラテン系ののりで楽しくて仕方なかった。剛さんがクレーンの上からお金をばさっとばらまいて、マフィアっぽいのもそれらしい。
 今回はテクノが加わって『Kurikaesu 春』はすごくテンポよく明るい曲だった。近未来的な無機質な感覚と桜の木やじわっとした湿っぽい感情とが上手く融合されているようなそんな不思議さがある。手にとれる今はすごく乾いていたり、温度がなかったり、感情さえもプログラムされたもののように思えてしまうときもある。だけど、そんなふうにすべてを遮断してしまうことがあったとしても、自分の心の中に一粒だけでも涙を残していたとしたら、その一粒が自分のすべてを取り戻してくれるようなそんな気がする。それとは逆に、すぐに手に入れられると思っていた明るい未来は、根っこが深くてすぐには届かなくて、意外に深淵をのぞく覚悟で臨まなくちゃいけないというようなそんな感じも受ける。一つの面だけではわからない重さみたい。
 『SPACE kiss』はサンカクくんが歌って踊ってくれた。ステージの上の三角のモニターがあるのだが、それに現れたサンカクくんがかわいかった。そして、振り付けは意外にゆるい感じで覚えて一緒に踊れるものだった。ダンサーさんが被っていたサンカクのかぶり物があれば、誰でもサンカクくんになれてしまう。244さんは特注のサンカクヘルメットを装着。このヘルメット光るしすごいな。ステージの上のサンカクモニターの映像が面白い。かなりのクオリティなので、見入ってしまいそうになる。いろんなふうに演出されていて、いろんな使い方がされている。見逃せないような244さんのお写真とかもあるし。見所満載。どの曲か忘れてしまったけど、ステージの証明がぶわぁっと上から下に一斉に降りてくる演出がされていて、それがたたみかけるように3度くらい続く。その波状効果にくらめきそうになった。花火とか火炎とか、煙がまあるくドーナツのように吹き出される装置もあって、特効系も充実。
 いろんなものがいろんなふうにおもちゃ箱のように入っている時間だと思った。音だったり映像だったり気持ちだったり、言葉だったり。そのどの一つもウソでできているものはなくて、純粋にきらめいた『本当』でできていた。そして、音の中で声を揃えて手を振って、同じ時間を伴に過ごせたことが一番の『本当』なんだと思う。その時間はほんとうに一直線にステージに向かって気持ちが届いていた。スタンドから見ているよりもずっと近くに感じるものがあった。そういうふうに思えることが不思議に思えないほどに自然だった。音を楽しんで気持ちよく遊ばせていただいてしまった。それはきっと、気持ちが、愛が、溢れている時間だったからなのかな。