天山の巫女ソニンシリーズ。

 まだ続いているシリーズですが、3冊読んだので感想。読みやすい児童書です。

天山の巫女ソニン 1 黄金の燕

天山の巫女ソニン 1 黄金の燕

 読まれた方のコメントを見て読んでみることにした本。落ちこぼれ巫女ががんばるお話と言ってしまうとなんだか違う。すごく主人公の心が綺麗なので、この世の中の当たり前と思っていることが当たり前じゃなくみえてくる。天山で夢見の修行に励んでいたソニンには、いろんなことが新しくていろんなことが不思議にみえる。いろんな運命がふりかかってくるけれど、自分のチカラでやってみようとする前向きさ、権力にも自然体でいられる素朴さ、その全部が彼女の未来を変えていく。さらさらと読めてしまう。軽めのファンタジーなので大人にはちょっと物足りないかもしれないが、読後はさわやか。

天山の巫女ソニン  2  海の孔雀

天山の巫女ソニン 2 海の孔雀

 2巻。今回もとっても明るくてみんなに好かれてしまうソニン。クワン王子の影のあるところにくらっときそうになりつつも、ちゃんとイォウル王子のところに戻ってきました。イォウル王子ができすぎな王子じゃないところがちょっと物足りなくもあり、これからの成長に期待する部分もあり。ソニンが1巻の悪役レンヒの書き付けから学んでいるところがポイント。知識というのは使う人によっていろんな面がでてくる。薬と毒もおなじもの。最後の言葉は意外に深い。自分の目でみて、自分で考えて、自分のことを決めることができる。できているようでできてないかも。

天山の巫女ソニン(3) 朱烏の星

天山の巫女ソニン(3) 朱烏の星

 3巻。今回は巨山の国が舞台。中盤までなんのアクシデントもなく話が進み、まさかこのまま終わらないよね?と思っていたところで、森の民による事件が起こりました。王女イェラがとてもさっぱりした性格で、ソニンとも仲良くなれそう。焼けた展望台にいる彼女がとても澄んで見えます。巨山という国が持っている二面性、歴史とはどういうことなのかを考えることになりました。イウォル王子は頼れそうになってきました。そして彼が抱えていた孤独を開かれた世界としたソニンとの強い絆も感じられました。