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崖の国物語シリーズ。

児童書

 さらに続けて、ルークが主人公のこの三冊。

崖の国物語〈5〉最後の空賊 (ポプラ・ウイング・ブックス)

崖の国物語〈5〉最後の空賊 (ポプラ・ウイング・ブックス)

 ルークは思いがけず司書勲士に選ばれた。下水道から出て、深森を旅するのだ。しかし、敵対する闇の守護聖団からの追手が差し向けられていた。トウィッグが主人公のシリーズだと思っていたので、意外な主人公が出てきたのにびっくりしました。でもルークもさすが主人公らしく冒険心にも満ちているし、その出生にもまだまだ秘密がありそうです。ちょこちょこと、いままでのシリーズの場面をよぎるところがたくさんあります。最後の最後にあっという登場もあるし、そしてこの5巻、どうも6巻への続きになっているところが多くて、最後まで読んでもすぐに続きが気になってしまいます。石の巣病になってしまい、浮遊石なき崖の国。どういう解決をみるのかが楽しみです。広大な世界を描かれていますが、その一つ一つがくっきりと想像できるような描写と挿絵が今回も見事。いろんな冒険モノのシリーズがありますが、これほどまでにくっきりと想像できる世界というのもなかなかないです。どんな怪物が出てきてもその怖さがわからないと面白くないですからね。

崖の国物語〈6〉ヴォックスの逆襲 (ポプラ・ウイング・ブックス)

崖の国物語〈6〉ヴォックスの逆襲 (ポプラ・ウイング・ブックス)

 ルークは掴まって奴隷にされてしまい、ヴォックスの館で過酷な労働を強いられる。崖の国の権力争いは激化するばかりで、ゴブリンやオオモズ、夜の守護聖団のどれにも狙われている司書学会は行き場がない。その上、「大いなる嵐」の日が迫っているし、ヴォックスはへんてこな卵を作っているしで陰謀だらけ。6巻は冒険というよりは陰謀に告ぐ陰謀でした。いろんな立場の人がいろいろな思惑を持っていて対立している。それをいいように操っているように見えたアンバーフェースも最後には掴まってしまう。誰の陰謀に誰がひっかかっているのかわからなくなってしまうような混沌とした世界です。その中でもルークたちはなんとか次に繋がる道を選びました。暗い地下にこもっていた司書たちは、明るい日差しの中の次の世界を夢見て、一歩踏み出したのです。ザンスやフェリックスといった仲間の今後も楽しみ。

崖の国物語〈7〉自由の森の戦い (ポプラ・ウイング・ブックス)

崖の国物語〈7〉自由の森の戦い (ポプラ・ウイング・ブックス)

 自由の森を目指して旅立った旧地上町の人々。しかし、旅は困難を極めた。なんとか自由の森にたどり着いたが、こんどはゴブリンやオオモズの襲撃に合う。次々に現れる恐ろしい怪物たちや人を惑わせる森。冒険にはつきものの困難が待ち受ける旅になりました。この巻ではザンスがもう一度新たな一歩を踏み出すところが印象的でした。ルークは記憶を失い、ザンスを疑うようになりますが、最後の最後に想い出した記憶、そして命がけで戻ってきたマグダの一言によって、ザンスは自由の森の仲間として迎え入れられることになりました。それに父と仲違いしていたフェリックスも父と打ち解け、同じ目標を持ってがんばることになります。そして、ルークも司書勲士としてではない別の道を進みます。それぞれにいままでとは違った行き方を選んだ3人ですが、とても生き生きとして描かれていました。たとえ一度失敗したり、ダメになったとしても、次に進むチカラがこの物語には描かれていると思います。新しい世界はまだまだ困難なことが待ち受けているのかもしれませんが、それでもこんなに輝いてみえるのは未来があるからです。最後にルークの出生の秘密も明かされて、なるほど!