華麗なる一族 最終回。

 泣きました。ぼろぼろ泣きすぎ、泣きまくり。ドラマや映画を見て泣くことはよくあることなんですが、これくらい思い切り泣いたのは久々かも。山崎豊子さん作品の映像では「白い巨塔」の最終回もぼろぼろに泣いてましたが、今回は泣くことはないだろうと思っていたんですよ。泣かせどころもないかなと、それが出来すぎたかのようにそこにあって、しかも、そんな状況にならないとわかりあえなかったということが悲しすぎて泣きました。
 鉄平が残した手紙はあまりにも未来への希望が打ち出されていて、その手紙を書いているときにもうすでにあの結末を考えていたのだとすると、鉄平の心の奥は複雑だったのだと思う。夢を追いかけているときのきらきら輝いている姿が好きだったし、そして、父と対立しながらも心から愛を求めていた鉄平が好きだった。結局、鉄平が欲しかったのは父の笑顔だけだった。そして、それを手に入れたときにはもう目を開くことができなかった。祖父があまりにも偉大な人すぎて、こういうねじれた家族関係を生み出すことになってしまったのだとしたら、悪いのはまんぴょーパパでも鉄平でもなくて、じつはじーさんにあったのかもしれない(いや、じーさんが諸悪の根元なんだと思う)。一番認められたい人に認められないことで、こじれていく関係に大きな銀行の合併とか鉄鋼業界とか絡んでいただけで、このストーリーは家族の物語だったのだと思う。計略とかそういうものがクローズアップされるのではなく、最後まで人間を丁寧に描いていたのには好感が持てた。木村さんの演技もじっくり見ることができたから、その心の機微も感じることができたように思う。このラストのためにその他のすべてがあるとしてもいいと思えるくらいの最終回だった。
 「将軍」は最後にもう一度登場。うれしそうに鉄平に近づこうとすると鉄平に石を投げられるというちょっとかわいそうな鯉だったけれど、最後にもう一度のその優雅に泳ぐ姿が見れてうれしい。結構、時間も長かったしね。もう一人の活躍者「猪」も再度登場。今回もリアルすぎてこわい猪だったし、どういう意味合いなのか計りかねた。視聴者サービスか?(笑)