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守り人シリーズ

児童書

精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)

精霊の守り人 (偕成社ワンダーランド)

 すごく人気があるシリーズなので、図書館で借りるのにも時間がかかってしまいました。用心棒のバルサの潔さと心の中に持っている深さ、それを見守るタンダをはじめチャグムの周りの人の温かさと、それとは対照的な激しく生々しい戦いのシーンが印象的でした。200年という時間の流れの中で大切なことを忘れてしまった人間たち。そして、星読みたちは星ではなく政治に巻きこまれてしまったために、本当の伝承を忘れていく。時代の流れの中に忘れ去られたものはたくさんあるのだろうなと思います。語り継がれた伝承の中には真実が混じっている。伝えられるうちにそれが形骸化してしまったとしても、その行為には意味があった。その意味をまた探るというのは難しいことです。自然の流れはなにが一つなくても上手くいかないようになっている。それなのに、なんとなく人間は鈍感になっていて、その流れを感じられなくなっているように思います。

闇の守り人 (偕成社ワンダーランド)

闇の守り人 (偕成社ワンダーランド)

 面白かったです。守り人シリーズが人気がある理由がこの1冊でわかったような気がしました。前作もとても面白かったのですが、バルサの生い立ちだけでなく、そこから広がりを見せているところがこの作品の面白いところだと思いました。バルサが背負っているものは大きくて重いものだけれど、それと向き合ってそして、それを乗り越えていくチカラがバルサにはありました。陰謀はもう終わったかに見えて、いまも続いていたり、人間の汚い部分を描いてあるのですが、それをまやかしではなくて、立ち向かうという方法で解決してあるところが清清しいです。自分のことだけを考えている人は誰もいないと思うのですが、結果的に一人よがりになって、思い上がってしまうこともあります。それを押えてくれるのは、他の人の言葉であり、自分の経験であったりします。なにが大切なのか、そして向き合うのは誰なのか、宝というのは目に見えたカタチで存在しているわけではなくて、強い気持ちこそ宝なのかもしれないと思いました。


夢の守り人 (偕成社ワンダーランド)

夢の守り人 (偕成社ワンダーランド)

 タンダの強さが見えた作品でした。バルサとタンダの関係もとても気になるところなのですが、あの2人は恋愛感情というものではなくて、深く魂が結び付いているような気がします。だからこそ、恋愛関係にはならないのかもしれません。なんといっても今回のみどころはあの(笑)怖いおばあさんの若かりし頃のロマンスが聞けるところでしょう。夢から覚めなかった人たちは現実ではなくて、夢の中に自分の求めているものを探してしまった。それほど現実で追い詰められていたのかもしれないし、夢が心地よかったのかもしれない。でも、チャグムが夢から覚めたようにそして、タンダがすべてを花に委ねたりしなかったように、自分自身というものを強く持っていれば、こうして現実に戻れる。いいことばかりあるわけじゃない辛い世界でも、だからこそ楽しいこともあるし、生きているんだと思う。ラストシーンの「夢の守り人」について語っているシーンがとても印象的でした。未来へと続く永遠の道。