◆見えないものとかそこにあるものとか。

蟲師 (4)  (アフタヌーンKC)

蟲師 (4) (アフタヌーンKC)

 少し前から気になっていた漫画「蟲師」を3巻まで読みました。独特の世界観が羨ましいくらいにとけ込んでいる作品でした。草や木の匂いがして、闇が本当に怖く感じられる時代。少し前の自然に畏敬の念が溢れている不思議に魅力的な空間を描き出しています。1話完結のお話なのですが、どれにもいろんな人の想いが詰められていて、ただの蟲退治でもないし、人の情けだけの話でもないし、なぜか懐かしくも感じられる風景が拡がっています。今の私たちが感じることができない何かがそこにあって、そこにノスタルジーを感じるのでしょう。
 きっと今も蟲はいるのだと思うのです。だけど、それを感じることができる人が極端に少なくなってしまった。だから、消えたように思われているだけなんでしょう。今のところのお気に入りは3巻の声に巣くった錆びの蟲のお話。恋の始まりの淡さが出ていて好きです。「はまぞう」は4巻の表紙を選んでみました。この赤の使い方がすごく好きなんですよ。表紙の色合いからも独特の世界を感じて頂けると思います。
 私の最近の不思議体験は謎の物音くらいでしょうか。私の部屋の壁からなぜかカタカタという物音がするのです。壁の中からです。始めはすごく怖がっていたのだけれど、あまりにも何度も聞こえてくるので、慣れてしまいました。たぶん、壁の中に鼠さんかなにかがいるに違いありません。それはそれで怖いんですけど。