ハンガリーGP決勝。

 いっ、い、やったぁ〜〜〜!!
 とうとう、ついに、やっと、本当に、この日が来ました。本当に、本当に来ましたよ。来ちゃいましたよ。ホントなんですよね?(つねってみる)
 ジェンソン・バトン、Honda、初優勝です!! 優勝しました。優勝です。1位ってことです。
 本当にこういう日が来ると夢見てはいましたが、実現すると感慨一入です。私がF1見始めたのは、一昨年からなので、もっとずっと前からHonda、そしてバトンを応援されていた方から見ると、歴は本当に浅いので、申し訳ないのですが、それでもすごくうれしい今日のレースでした。今年もモナコ以降、Hondaはすごく調子が思わしくなくて、念願の初優勝も今年は無理なのかなと諦めかけていました。でも、やっぱりクルーの方々、エンジニアの方々、バトン、バリチェロはその間も苦しい中を模索し続け、頂点を目指していました。少しでも私が諦めかけていたこと、いまとなってはすごく恥ずかしい。いつだって、闘っていたのに、その姿を辛くてみることができずにいたのが、恥ずかしい。
 先週のドイツGPから復調の兆しがあり、今回のハンガリーも期待してみていました。ただ、温度が低めということだったので、冷え性なHondaのマシンがまた立ち上がりが悪いんじゃないかなと思っていましたが、雨が助けてくれました。バトンはペナルティで10グリット降格して14番手スタート。ポールのキミが逃げの体勢にあり、アロンソもものすごいスピードでミハエルを追い抜いていき、アロンソの調子のよさに今回もアロンソかなと思ってました。バトンも徐々に順位を上げていき、あれよあれよという間に4番手。チームメイトのバリチェロはウェットはウェットでもすごく雨用タイヤ(何という名前なのか忘れました)を履いていたために、ピットインして後方に。雨に助けられて、Honda、すごくペースがいい。マクラーレン、Honda、ルノーが速かった。雨は今シーズン初めてでしたが、今回のコンディションでは、ブリヂストンよりミシュランがよいタイムだったようです。順位がキミ、デラロサアロンソ、バトン。というところで大波乱が! 
 キミ、追突。
 私にはキミが追突したようにしか見えませんでしたが、何かトラブルなんでしょうか? と、ここで、SC導入。バトンはアロンソに次いで2番目ポジション。SCが履けて、天候は徐々に回復傾向。コースもどんどん乾いていきます。それと同時にどんどんマシンもスピードアップ。ここでのバトンが速かった。最速、最速を更新し続けて、アロンソに迫る勢い。こんなに速くて安定したHondaを見たのは久しぶりです。アロンソを追いかけ回しているバトンなんて、見たい見たいと思っていた構図です。そして、ミハエルもドライコンディションになるにつれて、どんどん速くなってきました。ブリヂストンのウェットはちょっと乾きめのときが速いみたいで、猛追撃。ここでバトンはピットインして5.5秒という謎のスピードで出ていきました。レースの残りは25周近くあったと思うので、ピット作業のそのタイム、わかりません。燃料足りなくなるのでは? ホントにちゃんと入れたのか、Hondaだけにピットミス? と疑問符の嵐。そのあとに入ってきたミハエルでさえ7.9秒だったし、この時点ではバトンがこれで最後までいけるのか不思議に思っていました。アロンソがもう一度給油することを考えると、このまま行くとバトン、トップということだという解説の方の声にも喜べないでいました。
 アロンソが予定どおりピットインし、コースコンディションがドライになっていたので、ドライタイヤに履き替えて出ていきました。このままドライになるとウェットタイヤのままのバトンが遅くなって抜かれるのではないかと心配し、雨が降らないかと願いましたが、ハンガリーの空は明るかった(泣)。ところが、またもや驚くべきことが! アロンソのタイヤのネジが取れました。そしてコースアウト。ルノーでもそういうことあるんですね。アロンソがリタイヤした瞬間に、「やったぁ!」と諸手をあげて大喜び。アロンソファンには申し訳ないですが、滅多にないことなので許して下さい。見えました、見えましたよ。ポディウムの頂点。綺麗に見えてきました。ここで、やっと優勝するかもしれないという期待が膨らみ始めます。しかし、あと10周以上あるため、油断は禁物。バトンの後ろはハイドフェルトで、3位がミハエル。ハイドフェルドはピットインしたためにミハエル、デラロサハイドフェルトという順位でした。バトンはその後、ちゃんとピットイン。ドライタイヤに履き替えて、給油して出ていきました。やっぱり、追加で給油するつもりだったんですね。燃料切れという心配もなくなって(笑)、ようやく落ち着いて見れるようになりました。
 残り10周はミハエルとデ・ラ・ロサ、そしてハイドフェルドとの攻防が見物。ミハエルはウェットタイヤのまま走り続けていたため、ドライタイヤのデラロサとのタイム差は目に見えて縮まっていきました。1周、1秒半くらい縮まっていたんじゃないでしょうか。それでもミハエルは根性ともいうべきすさまじい闘志でデラロサを抑え続けてました。デラロサが速いんですけど、抜かせないんですよね。そこが凄い。コースカットしても前をとり続けたのには、疑問がありましたが、結局はデラロサに抜かれました。そして、すぐにハイドフェルドにも追いつかれました。このまま3位からも転落か? と思っていたところ、トゥリーリが白煙を上げてリタイヤ。その間にだったと思うのですが、ミハエルが目に見えてペースダウンし、そのままピットに戻りリタイヤ。ミハエルも2位のポイントを守るために、敢えてウェットのまま走り続けたのだと思いますが、やっぱりウェットで最後までというのはきつかったようです。やっぱり、履き替えた方がよかったんじゃ?と思ってしまいますが、ミハエルの勝ちに行く姿勢はそれを許さなかったんでしょう。
 そんなこんなしているうちに、あっという間に残り1周。バトン、トップです。でも、最後の最後まで国際映像、きませんでした(笑) 最終コーナーからチェッカーフラッグ。夢にまでみた瞬間です。Hondaのクルーが抱き合って喜んでいるのが印象的。2位はデ・ラ・ロサ、3位はハイドフェルドと表彰台に登る3人とも思いがけないメンバー。バリチェロも4位とHonda、思ってもみないくらいの結果です。もしかして、『君が代』が流れるんじゃ。と思いついたのがこの時。絶対にみなくちゃとどきどきして待っていました。マシンを降りたバトンはいままでに見たこともないような満面の笑顔。表彰台でも終始笑顔。そして、イギリス国歌に続いて、『君が代』。解説の今宮さんが涙声で、それにつられて私まで泣きそうになりました。
 バトンは100戦以上闘っての初優勝。実力もあって、マシンもよかったけど、なぜか勝てなかった。去年はすごくアンラッキーな年だったし、今年に入ってからも良くないことは続いてた。そんなときでもいつでも前向きなバトンのコメントはうれしかった。チームクルーの失敗にも温かいコメントが付いていたし、調子悪いときでも前向き、前向きなコメントが載っていた。だから、バトンの優勝はすごくうれしい。手放しで喜んでいいことがうれしい。ここまですごい苦労して手に入れた初勝利だから、今はそれに酔っていたい。本当におめでとうございます。うれしい、うれしいです。そして、これからもこの喜びが味わえますように。これからも応援していきます。今、地上波でレース放送しているので、リピートで見て、今日の勝利を噛みしめます。