◆ロイヤルシート。

 クラシックコンサート初参加。私が一番好きなヴァイオリニスト、五嶋みどりさんとマリス・ヤンソンス指揮バイエルン放送交響楽団の公演に行ってきました。クラシックは初めて。ちなみに曲目も初めて聴くので、なにがなんだか。そういう超初心者状態で当日。
 クラシックのコンサートは一度は行ってみたいと思いつつも、そのお値段に気が引けてましたが、今回は思い切って行ってみました。五嶋みどりさんの演奏が聴けるチャンスなんて、この先あるかないかわからないし、行けるときに行っておいた方がいいだろうと思ったのです。申し込みが遅かったので前の方のお席しか残ってなくて、オーケストラを聴くには前の方過ぎる席でした。ヴァイオリンの方はよく見えるけど、管楽器がまったく見えない。
 五嶋みどりさんのヴァイオリンは、テレビで聴くよりも数段美しく、震えるようにも歌うようにもその音が響いてきました。生の音がまるで人の吐息にように感じられるなんて、思ってもみませんでした。その小さな楽器から激しくも優しくも多様な音が紡がれていきます。空気の震えがわたしの肌に直接感じられるようなそんな気がしました。音が生きてる。本当に音が生きて伝わってきました。背筋がゾクゾクするようなそんな感覚。五嶋みどりさんのヴァイオリンを最初にテレビで聴いたときに感じた何か。この人は絶対凄いと無条件に思わせる何か。それをひしひしと感じさせる演奏でした。もっと演奏曲のことをきちんと知っていれば、深く考察することも可能だったのかもしれませんが、初心者の私に感じ取れたのはそういう感覚的なことばかりでした。技巧がどうとかそういうの全然わからないので。アンコールで弾いて下さった曲も、一つのヴァイオリンなのに、なぜか音が複数聞こえてきてびっくりでした。どうやって弾いておられるんだろう。不思議だ。
 バイエルン放送交響楽団の演奏もゆったりとした気持ちで楽しむことができました。あまりにも心地良くて、多少、眠ってしまいましたが、シンバルが ばぁーんっと鳴らされる度にこちらの世界に引き戻されました。ヴァイオリンしか見えない位置だったので、突然のクラリネットオーボエの音は、本当にどこから響いてくるかわからなくて、その分、曲として聴いていれたような気がします。クラシックでびっくりしたのはアンコール。舞台袖まで戻ってまた出てきてを繰り返すのがとても不思議。その間ずぅーっと拍手が鳴りやまないのです。ステンディングされている方も見受けられました。
 この公演後に五嶋みどりさんと握手できてしまいました! 楽屋から出てきたみどりさんとお逢いできたのです。感激のあまり一言も発することができなかったのですが、握手して頂きました。今思うと、サインしてもらえばよかったとか、感想を伝えればよかったとか、いろいろ思うのですが、舞い上がっていたのであまり複雑な行動は取れませんでした。なんだか手入れの行き届いた柔らかな手でした。笑顔を見せていただいたのもうれしかった。どうもそのあとみどりさんはロビーで握手とサインをされていたようなのですが、舞い上がりすぎていた私にはそれもわかりませんでした。ダメじゃん(泣) 最初のクラシックでものすごい演奏を聴いてしまい、次の機会を心待ちにしています。五嶋みどりさんの公演はNHKで放送するようですので、それがまずは楽しみ。