ベルギーGP決勝。 

 今年初めてのウェット状態でのレース。水飛沫が上がり、視界もかすむ状態でした。徐々に天候は回復し、路面も乾いてきたのですが、いつドライタイヤに変更するのかが、今回のレースの大きなポイントになったと思います。そういうところで、いつもよりもいろんなところが興味深く、観戦できました。ですがっ、今回も佐藤琢磨さんファンの私としては、フラストレーションが溜まるレースでした。10番手グリッドからスタートした琢磨さんは、最初のスティントはあれよあれよという間に順位を上げて6番手走行でした。チームメイトのバトンが苦しい走行を続けていたために、バトンさえも抜いていました。トップを走るマクラーレンの2台は破格のスピードだったとしても、このままいけばいい位置でと期待が持てていました。しかし、フィジケラのスピンにより事態は一転。SCの導入とともに次々にピットインするマシンの行列。BARはこの時点でドライタイヤを選択しましたが、時期尚早ということで次の周にまたタイヤを履き替えたために、2台ともかなり後方に沈んでしまいました。でも、ここからの巻き返しを期待…と思っていると、琢磨さん追突。ミハエルのマシンにぶつかって2台ともリタイヤ。ミハエルも調子がよかったですし、これからと思っていたところだったのか、ぶつかったあと琢磨さんに抗議。ヘルメットの頭の部分を軽くこづいていました。ほんと、怒りのやり場がなかったのだろうと思います。琢磨さんのその後の表情も重かったですしね。しかも、審議の結果、次のレースの10番手降格という処分を受けることになりました。痛すぎる代償です。
 SCで一気に順位を上げたのはトヨタのラルフ。2番手に上がり、モントーヤを猛追して追い越すような勢いでした。しかし、ラルフもかけが裏目に。2度目のピットの際にドライタイヤを選択し、結局、この時点でも時期尚早だったので、次の周で履き替え。後方に沈みました。そうなるとマクラーレンの2台はぐんぐん後続を引き離していくばかり。中でもキミの早さは尋常ならざるものがありました。バトンは後方からぐいぐい順位を上げてきていて見ていても気持ちよかったです。前半はマシンの制御が難しかったようですが、後半はとても早かったですよね。このままマクラーレンの1,2かと思っていたのですが、最後に波乱が。残り3周のところで2位走行のモントーヤが周回遅れのピッツォニアと衝突。こんなところで…、と思わせるところで波乱が起きて、終わってみればアロンソは2位。手堅いな。バトンも後半の追い上げが利いて3位に入りました。バトンもしっかりポイントを取って、確実にお仕事をされるすごいドライバーです。
 今季もあと3戦になりましたが、佐藤琢磨さんにとっては本当に苦難の今季になっています。レースの世界は甘くはないから、この結果がどういうふうに来季に出てきてしまうのか、すごく怖い。ミナルディの買収や来季のタイヤの契約など少しづつ、来季に向けた動きが目に見えるものになってきました。バトンの来季どこで走るのかが本当に気になります。