SHOCK観劇。

 1月某日。東京駅に降り立つ。堂本光一さんのSHOCK〜endless〜を観に来たのだ。とうとう、来たよ! 帝国劇場!! SHOCK観劇日記はながーくなる予定なので、3部構成(途中、休憩付き)でお送りします。いまから観るご予定の方はネタバレありなのでご注意ください。いろんな雑誌で光一さんが言っておられますが、白紙の状態で観にいかれるのが1番よろしいかと思います。第1部はネタバレになりそうもない私の当日の帝国劇場までの道のりしか書いてないので、大丈夫です。

第1部 帝国劇場までの長い道のり

 ここに辿り付くまでが長かった。1月と2月は特に仕事が忙しく、週末でさえお休みを取るのが至難の技だったのだ。前日まで行けるか行けないかわからない状態だったが、なんとか一段落することができたので、行けることになった。うれしさいっぱい、笑顔満面。それにしても、自分がチケットを取った日がよかった。この日以外の日だったら行けなかったからだ。あと1日早くても遅くても、次の仕事に追われてるか、前の仕事に追われてて、行けなかっただろう。チケット取るときには、いつでもいいから観たいと思っていたが、いつでもよくなかったからねぇ。来年からはもうちょっと考えたい。まぁ。とにかく、東京には着いた! しかし、私の状態は最悪だった。仕事が一段落したからか、急に体調を崩し、風邪の諸症状が全面に出ていた。朝、体温計で熱を測ったら、38度を超してた(笑)それでも、行かないと後悔すると思って家を出てきたが、よく、家族も止めなかったものだ。止めても聞かないってわかってたからか。頭の中がくらく〜らして、吐き気もして、道を歩いてもよろめきつつ、丸の内を歩く私。解熱剤を飲んだのに全然効かない。そんな状態で、帝国劇場に着いた。
 帝国劇場には行ったことはなかったが、地図を持たずともすぐにわかった。煌びやかな女性達が集っている。あそこに違いない。ここが帝国劇場か…。見上げてみる。「ガラスの仮面」に出てくる帝都劇場みたいな劇場を想像し続けていましたが、なんだか違ってた。これが、ホンモノなのね。入口に飾られてる公演案内の光一さんの写真をケイタイカメラで収めている人が多数。入口を入ると、薔薇の造花で創られた「SHOCK」の文字が。煌びやかだ。そして、1階のフロアは女性たちで埋め尽くされていた。どきどきしつつ、中に入って、熱気に押される。パンフレットだけ買おうと思って、2階の売り場に行ってみた。ステージ写真もあるようだけど、なんだかふわふわしてるので、パンフだけにしておきました。こういうときに見るとなんでも欲しくなってしまうからね。席は2階。S席なので前の方です。意外にステージが近いなぁと感激。どきどきで開演の合図を待っていました。…でも、熱も上がってきた(泣)
 SHOCKを観る前にいろんなところですでに情報が出ていますよね。だけど、光一さんの言葉を観て、とにかく先入観なしで観たいと思っていました。いろんな雑誌にすでに写真が出ているのも、極力見ないようにして、他の方の日記等も見ないようにして、とにかく白紙の状態に近く近くして、この日を迎えるようにしてました。わたしにとっては、初めてのSHOCKだったから。これまでのSHOCKとは別物というお話は聞いていましたが、私にはこれまでのSHOCKという概念がない。だから、ものすごくいい状態で見れるんじゃないかって思ったのです。DVDもホンモノ観てからと思って、買ってなかったし、すごくまっしろな状態でした。どんなものか、想像もつかなかった。それがいい意味になりそうな気がして。だから、私の感想は以前のSHOCKを知らない、とにかくSHOCK初心者の感想です。いよいよ、開演。

第2部 これがSHOW劇

 劇場が暗くなって、薄明かりの中でオーケストラピットに人が入ってくるのが見えました。生音なんだと思ってみていると、青く光る指揮棒を持った人が指揮台に立ちます。意外と派手な指揮棒だなとふと思いつつ、幕が上がっていき、オーケストラピットが競り上がり…。くるりと振り向いた指揮台の人は、コウイチ! どきっとしました。そういうふうに登場もありですか、なんだかしてやられた気分でした。なんか、指揮者の衣装が派手だなぁとか思ってたけど、そうか、そうなんだ。背中でわからなかった自分が悔しい。アキヤマからの劇場の紹介。薄青い光の中で亡霊のようなダンサーさんたち。アキヤマくんの煽りもすぐに観客の心を捉えてました。2階からだったけど、アキヤマくんの表情はよく見えました(笑) ショーのシーン。意外にさっぱりしたショーなのはオフブロードウェイだからなんですね。それでもターンするコウイチに魅せられ、ちょっとしたイリュージョンに驚かされ、赤いスポーツカーに驚かされ…、そして、やっぱり飛んでるコウイチにも魅せられました。ただ、飛んでいると2階からでは見えないところにいるときもあって残念。飛んでいるときの足がすごい好きなので、じっくり観たかった。リカが金色のフードにすっぽり包まれていて、しばらくすると消えているというイリュージョン。いつのまにいなくなったのかわからなかった。透明なケースから現れるのも…。もっとよく観ていれば、ちょっとくらいわかったのかな。ただただ、「あれれ?」と思うばかり(笑) 千秋楽後のバックステージシーン。コウイチのキャラがここで掴めた感じ。他のメンバーやリョウ、リカの設定がここでわかってきました。コウイチはみんなとひっぱっているけど、結構フランクな感じなんだね。カンパニーのまとまりが感じられるシーンです。そして、屋上へ。屋上でコウイチが歌っている曲が、またすごくよくて、この曲が劇中歌の中で1番好きだった。もいっかいぐらい聞かせて欲しいです。メロディラインが優しくて、そしてあったかさを感じる曲でした。このシーンでのコウイチのセリフ「限界なんて今の俺たちにはないんだ」って言葉が印象的だったです。ちいさな劇場でも夢と仲間がある、その幸せと明日を感じるように。またもや、赤いスポーツカーが登場。変な体勢で車に乗りこむコウイチ。鍵も持たずにつっぱしっていくのも、彼ならできそう(笑)
 舞台は一転、バイト先へ。このシーンの舞台装置の移動がすごかった。オープンカフェで、いかにもミュージカルっぽい通行人や、cafeのウェイトレスとのダンスから劇場裏へ至るまで、流れるように展開していって、もうちょっとゆっくりなのかと思っていた私はびっくり。おばあさんとのダンスもコミカルでした。それにしても、コウイチはバイト先で働いているのか、どうなのか、疑問に思うよ(笑)劇場裏でのダンスはベンチでのダンスがかわいかったし、楽しかった。マリリンモンロー風の女性に付いていっちゃうような振りもかわいかった。壁が落ちてきてしまうシーンでは、またもや「はげちゃう」発言も聞けたし、続けて「まいっか、またかぶればいいだけだし。」…いつからズラはネタになっていたのでしょうか。もう、しっくり来てます(笑) ここで、コウイチ率いるカンパニーにオンブロードウェイへの道が開けます。そして、オンブロードウェイのショーへ。
 ワールド色豊かなショーが展開されます。これぞショーというようなゴージャスダンサー従えてのナンバーでは、リカ役の方の足がすごいセクシーに見える衣装でした。リカ。ほんと足きれいだ。なんだか、ちらりと見える太ももに悩殺されそうだった(笑) アフリカ風のダンスでは男性ダンサーの腰布姿にワイルドさに悩殺されそうだった(大笑) 網を持ってさえフライングしてしまえる、コウイチがすごい。なんだか簡単に飛んじゃうけど、そんなに簡単なことじゃないんだよね。フライングのときにライトに映り出されたコウイチの身体にびっくり。ほ、ほそー。そんなに細くていいんですかっ、おなかとか筋肉しかないって感じですし、ウエスト、いったいいくつなんですか…、はだけた衣装からちらつく細さになぜか、SHOCKを受ける私…。そしてここで、タップダンスが見れます。リョウのアイリッシュ調のタップシーンがかわいくて好きだったし、チャイナ風も似合ってました。そして、コウイチの情熱のタップ。コウイチは赤い衣装の女性ダンサーを従えて踊るとき、ほんとにかっこよく見えます。こんなに赤が似合う人っていないよ。リズムの刻み方も果敢で、タップって全身でリズムをとって踊るすごい技術ですよね。そして、オンブロードウェイらしく、すごい神殿のセットが登場。リョウが白い衣装で現れます。リョウは足がすらっと長いので、それが舞台では映えて見えました。そして、舞台裏のシーンへ。
 ショーに魅せられていたので、どういう話だったのかわからなくなりそうでしたが、1つのカンパニーとしての行き方について、みんなが戸惑いはじめたところでしたね。SHOCKは劇中ショーが華やかで見せ場があるので、それだけに目がいっちゃうのですが、それとカンパニーとしてのお話との切り変えがここからはできるようになりました。最初はちょっと、ストーリーとショーとの切り替えができなくて、戸惑ってましたが…。リョウが仲間への不満をぶつけ、仲間たちの心が離れていくことを危惧するアキヤマ。コウイチは次のショーを考えていると、立ち止まらない姿勢を見せます。リョウが走りつづけていくコウイチに置いていかれそうな自分を感じ、それでも必死にがんばろうとしている。だけど、コウイチの望みはもっともっと先にあって、それが果てしなく感じるのでしょう。「そんなに走りつづけて疲れないのか」というようなセリフがありましたが、たしかにそう。どこまでも、よりよいものを創り続けていこうとするコウイチの姿は、まさに私のイメージする光一さんの姿にダブるところがありました。追い詰めて追い詰めて、それでもまだまだ上にいこうとする。そんな姿が羨ましいけれど、それでもたまにはふっと肩のチカラを抜いてほしいと感じてしまうような、そんな感覚。そうして、仲間たちの心はずれたまま、第2部のショーが始まります。
 ジャパネスクのシーンはすごいです。なにがすごいって、殺陣がすごい。コウイチとリョウとの闘いが描かれていて、それに1枚かんでいるような美しい花魁。闘いの中にも愛を感じる構成になっています。踊るように刀を使っていますが、あれってすごい息が合わないと綺麗に見えないし、それに扱いも難しいと聞いたことがあります。でも、すごい迫力で息も付けないくらいでした。すごい長いシーンなのですが、それでも見ているものを飽きさせないくらい次々と戦況が展開していき、そして、両側からあの階段が現れます。か、かいだんっ! やっぱり今年もあるんですかっ! 階段の前で息詰まる最後の攻防があり、とうとう階段の上へと辿り付いた二人。そこで、リョウが刀をすべったかのように落とすと、コウイチがアキヤマから刀を受け取ります。そして、間。「…アキヤマっ」という、なんとも言えない口調。なんだろう? と思わせて、そのままショーは続行。リョウが手にした刀で、コウイチに切りつけると白い壁が赤く染まり、血に塗れたコウイチの表情が苦悶に歪みます。そして、そのまま、階段落ち。あまりにも美しく落ちていくコウイチ…。そして、ステージのセンターで激しい形相を見せて、第1部、幕。
 えぇーっ、そういう展開なんですかっ、そういう事件が起こるわけですかっ、これってあれでしょ、ショーで間違えてホンモノの刀を使ってしまったってことでしょ。こっ、これからどうなるんですかっ。こんなにバラバラになって、しかも取り返しがつかないような状態になって、これから、カンパニーはどうなるんですかっ!! それにしても血まみれのコウイチの表情があまりにも激しくて、目に焼き付いています。すごい、気迫というか、迫力がずんずん、心に迫ってくる感じでした。だから、休憩中、思い出すのは血まみれコウイチ…。心は休まらない。
(休憩)
 やっぱりというか、休憩中のお手洗いは混み混みです。でも、トイレの中にまでご案内のおねえさんがいらしたのにはびっくりしたなぁ。でも、そのためかスムーズにみなさんご利用できていたようですよ。第1部の後半あたりに、急激に私の容態も悪化。すっごく熱くなってきて、頭もくらーってしてくるんだけど、それでも一瞬たりとも目が離せないので、必死でした。休憩になって気が付いたけど、たぶん、ものすっごい高熱だ。そうだよね、38度から始まってるんだから、それ以上にしかならないだろー、あはははー。そして、熱も上がり続けて、第2幕の幕が開きます。
 アキヤマの語りから。舞台右側上部で病院での様子が演じられています。ピッ、ピッ、ピィィー。し、死んだの?? 主人公、死亡?! そして、舞台上には不気味な墓場のセット。そして、コウイチのダンス。この「In the Cemetery」がすごいいい! セメタリーなんだけど、すごいこの曲も好き。コウイチの衣装も白いシャツが裂かれたような衣装で、包帯を思わせる白い布がひらひらしてます。そのひらひら加減がなんとも言えない。墓場だよ、包帯だよ。でも、それがすごいぴったりきてしまう、そんなコウイチ。素敵すぎです。棺桶の中から登場したり、死神ように笑って、みんなを追いつめても、それでも似合うから不思議だ。ここからシェークシピア劇が始まるのですが、そのセリフとコウイチやリョウ、リカとの気持ちが同調していて、また違ったふうに捉えられました。リョウのセリフがちょっと解釈しづらい箇所がありましたが、自嘲的に笑う姿が痛々しくて、リョウという人物の強がりも弱さも見えていたと思います。そして、ロミオとジュリエット。コウイチさんのロミオの死に姿が綺麗すぎですよ。なぜ、片足立てて死んでおられるの…。それがかっこよすぎです。青の衣装なのですが、ほんと、赤もに合うけど青も似合う方ですね。ロミオの普通に聞いていると、なんだそりゃってくらい甘いセリフもさらりと聞こえるから不思議。甘すぎず、冷たすぎず、そして、どこか幼くて純粋な愛が垣間見れました。
 そして、がらりと空気を一変させるようなコウイチの声。「コウちゃん」って言ってるのがかわいくて、かわいくて仕方ないよ。飄々と出てきて、みんなをびっくりさせようとするコウイチ。さっき、死んだって言ってたのは違うの?? セメタリーでみんなを暗闇に落とそうとしていた黒い影も違うの? そんなに明るくて、飄々としているのがコウイチなの? そして、またカンパニーに戻れるの? と明るさを取り戻して、わたしなりにそのときラストまでのハッピーエンドを描いてしまいましたが…。そんなはずもないのでした。それにしても、ここのコウイチの明るさがいままでの暗さとは一変していたので、ほっとして見ることができました。あのままくらーい感じで進むのかと思っていたので、それがすごく明るいカタチで見えたものだから。本当に無邪気を演出するかのごとく、ものすごく明るくてフランクなコウイチを演じて見せた光一さん。「白馬に乗った王子さま〜」「最近はそうでもないけどね」なんて、さらりと落としてしまえるあたりが観客の心を捉えてました。あのシーンが明るいからこそ、この先の展開も受けとめられました。あのままくらーいままで、コトの真相だなんて語られても、集中力が続かなかったし、受け止めきれなかったと思います。
 ブロードウェイのステージに立ちつづける痛々しげなリョウ。このあたりはリョウの痛い痛しさがすごくよく出てました。そんなリョウに、また、ダンスで勝負を挑む光一。手放しで許すと言われて、踊り始めるけれど、それでも心がどこか他にあるリョウ。リョウの心の揺れ動く様がよく見えました。そうだよね、事件をなかったことにはできない。一度離れてしまった心、それを取り戻すのは容易ではない。なんでも許すなんて言われても、許された気持ちにはなれない。たとえ、どんなに明るくコウイチが笑っていたとしても、それでも、あの時とは違うのだから。それになにより、リョウが自分自身を許せないよね。事件のあった階段で、リョウが真相を語ります。「Show must go on」なにがあってもショーは続けなければならない。その言葉の重さとリョウがいままで感じていたことすべて。自分に対する苛立ちとか、それでも向かっていく気持ちとか。きっと、リョウにはすごく子供な部分もあり、コウイチに対する気持ちもあって、あの行動に走らせたんだろうなと思ってます。越えられない壁を壊してしまおうとする気持ちと、そしてその壁になっている人自身を思う気持ちと。だけど、コウイチにしてもリョウにしても、少しだけ心がすれ違っていて、お互いに信頼を欠いていた。目指すものが少しだけ見えなくなってて、摩擦を生んでしまった。それが取り返しのつかないヒビになり、そこに現実としてコウイチの死がある。リカが愛するがゆえに、コウイチの幻を幻だと認める行動に走ったあたり、リカも最初の幼さではない女性としての強さが見えました。コウイチが自分の現実を受けとめ、そして、みんなもそれを受けとめたときに、幻のような束の間の幸せは終わりました。いつ、消えるかもしれない。それが現実。だけど、それを受け入れたからこそ、できることもある。「自分に強くならなければ、前には進めない」というコウイチのセリフ。それが、全部のような気がします。甘い幻想に惑わされているよりも、現実を見て、そして前に進む。それが、コウイチの選んだ道だったし、カンパニーの選んだ道でした。ただ、許すってことよりも、もっと前に進んだ彼らがいた。現実は決して甘くはないけれど、それでも、最後に神様がくれたチャンスがあるから、だから、それを最後まで輝かせよう。「ショーの最中にもしも」のコウイチのセリフに、わかっているよといいたげに頷くリョウ。ショーは続けなければならない。それがお互いの信頼に繋がっていました。
 そして、コウイチ最後のショーです。赤の布に彩られたステージ。直さんの打楽器による演奏が響きます。私も小学生のときに小太鼓やっていたのですが、トゥレモロが全然できなくて、今回直さんの演奏を見て、あぁ。あれがトェレモロだと見せつけられました。打楽器ってあんなに魅せることのできる楽器だとは思わなかったです。そして赤い布を持ってのフライング。華麗に飛ぶのですね。コウイチと直さんの打楽器によるショー。蛍光ピンクのバチでお互いにバチを叩き合ってリズムをとるところがあったのですが、そこが1番お気に入りでした。すごく高いところにある、ドラ?みたいなものを叩くためにすごくジャンプしていて、それもすきだったです。最初はなぜ、ジャンプしているのかわからなかったのですが(笑) リョウの剣を使った演奏もかっこよかった。剣で音を出すって考え付かないことだったです。大太鼓を叩き、まるでねぶた祭りなのかと思わせるほどの華やかさもありました。そして、天井に現れた4つのはしごをに次々にフライングしていくコウイチ。今回はそんな危ないことをするのですかっ! はしごからはしごへとすっと移っていきますが、すごく高いんですよっ。2階にいた私と同じ高さか、むしろそれ以上。あぁ。その下は1階の客席なのに。でも、すごく私の席の近くに来てくださることがあり、ほんと数メートル単位のところで、拝見できました。近くでみても、やっぱりかっこよかった。その真剣な眼差しもフライングしている華麗な姿勢も、すごいかっこよかったです。ほんと、感激してしまった。そして、マスクを使ったショーがかっこいい。いくつものマスクを被っておられて、そのマスクに合わせたダンスとショーが繰り広げられていきます。マスクを取るだけで、ぱっと変わって見えてしまう、そんな早代わりの瞬間がとてもすき。なんとなく、マスクによってコウイチの表情も変わったように見えるんですよね。あんなにのっぺりしているマスクなのに、表情が感じられました。そして、月の海をバックに歌うコウイチ。この曲もすごい好きだなぁ。すごく穏やかで優しくて、しかも凛として雰囲気のある曲です。あぁ、この曲ももいっかいくらい聞きたい! そして、満開の桜の下。その桜がすごく儚げなんです。とうとう、そのときがやってきて、倒れ込むコウイチ。そして抱き上げるリョウ。すごく満足した顔で横たわっているコウイチ。そして、なぜ、このSHOCKがendlessなのかがわかりました。ずっと続いていくってことの意味。すごくじんとくるラストだったです。
 endlessってショーはなにがあっても続けなければならないという意味なのかと思っていたんですよ。でも、このendlessというのは違う意味かなとラストで思いました。たとえ、誰かが倒れたとしても、その心がまた次の人に受け継がれて、そしてカンパニーとして仲間としてずっと、ずっと続いていくことなのかなって。走りつづけていく刹那的で危うい時期を越えて、より一層深まったカンパニーの絆。いつも新しいものを追い続けて、前へ前へ向かう危うさ。オンブロードウェイで始めたショーの頃は、1つの夢が叶ったことでそれに安心して満足している気持ちがあった。ある意味守りに入っていたのかも。だけど、コウイチはもっともっと上を目指そうとし、そのスピードと心にまだみんなが着いてきてなかった。だけど、それでもコウイチは行こうとしていた。それが、カンパニーのみんなやリョウとコウイチとの隔たりになってしまったのかもしれない。大きな事件を乗り越えて、決して幸せなだけの現実ではないけれど、かけがえのない心を得て、カンパニーは大きく成長しました。リョウにとっても大きな成長だったし、リカにとっても、アキヤマや他のメンバーにとっても。そして、コウイチにとっては最後のステージとなったわけですが、伝えられることは全部伝えられていると思います。そういうところが、endlessってことかもしれない。続けるってカタチじゃなくてココロなのかもって、そういうふうに思えました。そして、それが1番素敵でショーにとってなくしてはならない核心部分だと思ったりしています。
 カーテンコールが終わって拍手で満たされた劇場にまた、明りが灯りました。終わっちゃったということよりも、すごく満足感が私の心を満たしていました。煌きの中で感じて見て味わったショーが、私の心の中で何度も何度も繰り返されています。いくつも好きな場面があり、印象的なセリフもあり、覚えておこうとしたのですが、2つまでしか覚えられなかった(泣) 帰りの電車の中でいろんな場面を思い出してみては、もっともっと記憶を鮮明にしておければよかったと後悔。本当に煌いていて、全部、覚えていられなかったのが、ちょっと悔しかった。わたしにとっては、このSHOCKは1度しか観られないものなので、全部覚えておきたかったのです。あぁ、もいっかいみたいー!! じたばた、じたばた。でも、最後に残ったこの気持ちが私がこのSHOCKを見て感じたすべてだと思うので、これがホンモノ。忘れもしない気持ちです。アクロバットに驚かされ、華麗なショーとダンスに酔わされ、最後に心に響きました。それがいちばん、ココロにSHOCKな出来事。

第3部 で、帰りました

 なんとか帰り着きました。しかし、体調は優れなさ過ぎ(泣) 電車の中で休んだので熱は随分収まっていましたが、計ってみるとまだ37.5度。どういうことなんだ。食べ物を食べる元気がなくて、匂いだけで気持ち悪くなるので、あまり食べられもせず、それでも何か口にして薬を飲んで寝ました。こんなに体調悪いの久しぶりでした。それもよりによって、この日じゃなくても(泣)
 これでやっと見ることができるようになった他の方のSHOCKネタバレありな日記も、SHOCKについての記事もばりばり読みました。いろんな感想を見て、また思い出すことも多くてうきうきです。まだ、半分くらい公演が残っているので、カンパニーのみなさん、がんばってください。こんなに夢とどきどきをくれる時間、ひさびさに味わいました。やっぱり、舞台は素敵。目の前でリアルに動いている感情が極上テイストです。一時期、舞台に魅せられすぎてちょっと中毒になりかけそうになったことがあったのですが、今回もまたヤバイです。でも、私にも現実はちゃんと見えているので、ちゃんと歩きますよ。もらった気持ちはちゃんとここにあるから。 今回の感想も長くなってしまいました……最後まで読まれた方がいらっしゃいましたら、ほんとにありがとうございます。